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meme-管理No.420確認済個体記録

No.420-1 origin
 組織にて初めて保護された個体。身長130cm~140cm(観測毎に変動)。体重は5kgから10kg。別個体も同様に身長、体重が観測毎に変動している為、自身の意思で変えているというより環境や時間によって変わってしまう生理現象に近いようだ。
 くすんだクリーム色のボブヘアーに内容物が露出した二房の髪、上部のシミのような眼球模様、内容物の色とよく似た色・柄のレインコートを着ている。以上の外見情報が揃った場合、No.420-1としてラベリング、観測すること。
 非常に人間に友好的。知能も高く5~7歳児程度の学習能力もある。絵を描く事を好み、職員が関わっていない時間の大半をそれに費やす。描く絵に法則性はない。
*収容時の注意
 会話が可能なため、保護したいうまを丁寧に話せば進んで同行する。


No.420-2 識別name『目=気球』
 最も目撃数が多い個体。おそらく■■■■■■■■■の共通認識から生まれた個体。画集や教科書、レプリカ、果てはネット記事からも増殖する。
 くすんだクリーム色のボブヘアーに内容物が露出した二房の髪、眼球を模したベレー帽、油彩画で描かれたような鮮やかな色のポンチョを着ている。以上の外見情報が揃った場合、No.420-2としてラベリング、観測すること。
個体数は多いが自我がないものとあるものの幅が大変広く、発見される8割の個体は自我がなく数分程度で消滅する。のこり2割の個体の中でも知能に差があり、組織にて収容している個体は最も自我の発達している2-A、赤子程度の判断能力を持つ2-B、動いているものを目で追う程度の2-Cの3個体。
*収容時の注意
 前述のとおり、自我の無い浮遊している小個体は収容対象外。人を認識し反応を示す個体のみ保護対象。言葉で好意を示せば、同行する。


No.420-3 識別name『嗤う蜘蛛』
 ■■■■■■■■■の実物作品、レプリカや複製原画のある場所に多く出現。
 くすんだクリーム色のボブヘアーに内容物が露出した二房の髪、眼球のモチーフが付いた葬式帽子、内容物らしい黒いインクが露出した肌に、喪服のような黒い服を着ている。以上の外見情報が揃った場合、No.420-3としてラベリング、観測すること。
 非常におとなしく、当初は自我もないと思われていたが、ただ人見知りが激しく怖がりであるだけだと判明。別個体の後ろに隠れたり懐くまで時間がかかる他、歩いたあとに足跡のように黒いシミができる身体的特徴がある。
*収容時の注意
 非常に怖がりで人慣れしていない性格の為、目線を合わせてゆっくり会話すること。心を許せば他のどの個体よりも懐いてくれる。


No420-4 識別name『グラン・ブーケ』
 ■■■■■■■■■の実物作品、レプリカや複製原画のある場所に多く出現。
 
くすんだクリーム色のボブヘアーに内容物が露出した二房の髪、閉じた眼球を模しリボンのついたベレー帽、いたずら描きのような汚れの多く付着した袖なしコートを着ている。以上の外見情報が揃った場合、No.420-4としてラベリング、観測すること。
 非常に友好的で常にどんな人物に対しても笑顔を向ける。420-1、420-2に比べ自我は薄いが、純真無垢で関わりやすい。かなり体の融点が低く、27度以上の場所に居ると体の端から溶け始めるため注意。
*収容時の注意
 かなり友好的なため手を差し出せばついては来る。ただし移動中他に興味を惹かれるものを見つけてしまうと勝手に離れて行ってしまうため、簡易拘束は必要。


No420-5 識別name『夢想』
 図書館や図書室、某所書斎にて目撃。現在収容している個体数が1体と、目撃件数も極めて少ないことから、希少な個体であることがわかる。身長が別個体より150cm~160cmと高めだが、体重は同様。
 
くすんだクリーム色のボブヘアーに内容物が露出した二房の髪、眼球を模した小さめのベレー帽、普遍的なピンタックシャツとサスペンダー付きのハーフパンツを着用。以上の外見情報が揃った場合、No.420-5としてラベリング、観測すること。
 自我が極めて発達しており、収容中の個体の自我、学習能力は13~15歳程度。難しい読み書きから話し合いまで出来る。職員の相談に乗っている姿も多々見られる。
*収容時の注意
​ 個体数が少ない為発見次第説得、保護。自我の発達具合から逃走の可能性もあるため気を付けること。


No420-6 識別name『蝶』 
⚠要注意⚠
 文字情報からは出現せず、該当作品の複製や画集のページなどから出現。特に幼い子供や心神喪失状態の成人のもとに現れることが多い。
 
くすんだクリーム色のボブヘアーに内容物が露出した二房の髪、眼球を模した髪飾り、短めのポンチョと裾の膨らんだショートパンツを着用。原理は未知だが蝶の羽を模した飛翔機能を持ち、空を飛ぶことができる。以上の外見情報が揃った場合、No.420-6としてラベリング、観測すること。
 明るく人懐っこい性格だが自己顕示欲が強く、420-6のいる場所で他の個体の話をすると嫉妬のような感情を見せる。収容時は必ず“他個体と同じ場所に連れて行かない、同じ場所に居させない”ことを念頭に置き、絶対に420-6から目を離すようなことがあってはいけない。
 以下に420-6の起こした事故の記録を添付。《削除済み》《削除済み》《報告.txt》
*収容時の注意
 友好的でこそあるが、移動中に行方不明・事故により死亡した職員も多数いるため、必ず複数人で輸送すること。絶対に目を離してはいけない。絶対に目を離してはいけない。
絶対に目を離してはいけない。
絶対に目を離してはいけない。
絶対に目を離してはいけない。■■■■■■■■■■■■■■。
____、__。__________。《削除済み》


No420-7 識別name『彩雲(Flower Clouds)』
 実物作品の収蔵されている美術館にて目撃された個体。目撃数は多いがすばしっこく収容個体数は少ない。
 くすんだクリーム色のボブヘアーに内容物が露出した二房の髪、眼球を模した髪飾り
、絵具で汚れた長めの旅人風ポンチョを着用。原理は未知だが風に乗り滑空する機能を持ち、420-6ほどの万能性は無いが飛行能力がある。以上の外見情報が揃った場合、No.420-7としてラベリング、観測すること。
 無口で利口な性格。友好的だが頑固なところがあり、拘束を嫌う。かなり達観した物言いであるという以外には特に留意点はない。
*収容時の注意
​ 収容はもちろん拘束を嫌うため、懇切丁寧に収容時のことを説明し逃げられる前に連行する必要がある。組織に連れてきてからは特に暴れたりといった報告はない。


No420-8 識別name『秘譚』
 実物作品を展示していたB国C市の企画展にて目撃された個体。目撃数は少ないが従順で収容個体は三体。
 くすんだクリーム色のボブヘアーに内容物が露出した二房の髪、眼球を模した髪飾り
、白いワンピースのような服に聖歌隊服を模した襟飾りを着用。以上の外見情報が揃った場合、No.420-8としてラベリング、観測すること。
 朗らかで大人しい性格。おしゃべりが好きだが声が小さく、職員に話しかけようとして無視されている様子がよく見られる。その為何か伝えようとしている素振りが見られた場合よく耳を傾けること。
 20XX年X月現在までに開催されたルドン作品を展示した展覧会、美術館の情報を全て把握しており、現収容種類の中で最も知識量に長けている。知恵があるかは個体によるが職員が収集した情報以上のことを会得している。
*収容時の注意
 収容に対してはかなり好意的。人と喋ることが好きな個体な為、よく話を聞いてあげると懐く。手荒な扱いをしない限りは気概を与えてきたりはしない。


No.420-9 識別name『鐘守』

 A国首都の国営図書館で発見以来、各国の大型図書館で目撃されることの多い個体。
 くすんだクリーム色のボブヘアーに内容物が露出した二房の髪、眼球を模した帽子、ゴシック・ファッション(注釈:本来のゴシック・ファッションではなく現代のサブカルチャー的ゴシック・ファッションである)の洋装を着用。以上の外見情報が揃った場合、No.420-9としてラベリング、観測すること。
 
自我が極めて発達しており、収容中の個体の自我、学習能力は13~15歳程度(420-5と同程度と思われる)。難しい読み書きから話し合いまで出来るが、同時に気位も大変発達している為職員に対しても不遜な言動、態度が見られる。
 18XX年以降に出版された特定ジャンルの作家に対する知見が極めて深く、自身の出自や他個体の知識よりも文学への教養に長けている。420の中で唯一、絵を描くことよりも詩の暗唱を好む。
*収容時の注意
 本人にとって有益になり得る情報(特定ジャンルの蔵書量や文学に精通した職員の存在等)と引き換えに収容を許したケースが多い。特にXXXXX氏、XXX氏、XX・XXXX氏ら作品を好む。自我の発達具合から逃走の可能性もあるため気を付けること。

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